SATとはScholastic Aptitude Testの略で、アメリカの大学入試の際の評価ポイントの一つになっているテストで、日本でいうセンター試験、オーストラリアでいえば、VEC、HSC(州により名称が異なる)のようなものです。一般的にSATといえば、国語(英語)と数学の2科目の基本試験を指す、1600点満点(各科目800点)の試験です。オプションのEssay writing(後述)も取れば3科目になります。
この2科目以外に、SAT Subject testsと呼ばれる科目別の試験もあります。Subject testsは、言語(日本語もあります)、上級数学、英文学、歴史、物理、化学など、日本でもオーストラリアでもおなじみの科目を選択します。アメリカの場合大学、学部によってはこのSubject testsの結果を求める場合がありますし、日本の大学においても同様です。
日豪とアメリカの統一テストの大きな違いは、日豪が一発勝負なのに対し、アメリカのSATは年数回開催され、何度でも受験が可能というところです。その為、試しにどんなものか手軽に受験することもできます。受験料はかかりますが、別途受験が必要な英語テストであるIELTSやTOEFLと比べると安くなっています。
数学については、Subject testsの数学が、更にMath 1、Math 2と分かれ、それぞれより高度な問題が出題されるのに対し、基本のSATの数学においては、概ねYear11くらいまでの出題範囲になっており、取り組みやすくなっています。
別のページで統一試験とSATの負担のところでも述べましたが、SATは決してオーストラリアの受験生にとって負担が大きく追加されるものではありません。負担がないとは言いませんが、オーストラリアの統一試験、あるいは普段の勉強の延長線上で十分対応できる内容になっています。
その為、SATについては特別な対策は必要ではないと言い切っても過言ではありません、が、そこはテスト物、傾向を知っておくことはとても重要です。この手のテストにあるひっかけ問題などにも慣れておくに越したことはありません。
日本の大学進学をお考えの場合、Year10くらいからSATの問題を少しづつやっていき、出題形式や出題範囲に慣れておくといいでしょう。数学に関しては、Year10だとまだ習っていない範囲も出てくるはずですが、それでも比較的多くの問題は対応できるのではないかと思います。
と、これはあくまでオーストラリアで幼少期から育った、日本語より英語が得意、英語は完全にネイティブという学生の場合です。
日本から2-3年くらい高校留学生として来られている方、親の駐在で数年のみの滞在に留まる方は、英語力の面でどうしてもネイティブ並みとはいかないため、注意が必要です。
数学については、正直日本のセンター試験より難易度としてははるかに低い為、数学用語を覚えつつどんどん問題をこなして出題形式に慣れる必要性が、ネイティブの子より強いといえます(数学の問題の出し方そのものも日本と少し違う傾向の問題もあります)。オーストラリアで育った子とくらべてどうしても英語力で劣ってしまうため、数学は出来る限りの高得点を目指す、満点も目指す、くらいの意気込みが必要です。
日本に帰国生として大学進学を目指す場合、英語力の証明のためIELTS、TOEFLなどのスコア提出を求められます。これらのテストについてはまたTOEFL・IELTSのページでも詳しく述べますが、駐在員のご子息や高校留学生は、IELTSなどの対策よりもむしろSATの英語対策にも力を注ぐべきです。数学もやって、SAT英語も、というのは大変ですが、日本語能力の部分で優っているため、そこは「がんばる」しかありません(ネイティブの子が日本に進学する場合、多くの大学で小論文が課されます。詳しくは別ページで紹介していますが、これは非ネイティブのSAT英語対策以上に大変なことです)。具体的には、ネイティブの子と同じですが早めのSAT英語対策の開始と、できるだけ多くの問題を解くことでSAT的な脳にすることです。
Essayについてはすべての大学が求めているわけではありませんので、必ずしも受験しなくてもいいのですが、日本でいえば国立大学や慶應など帰国生に人気のある大学が求めていますので、それらの大学の受験を希望される場合は、Essayも必要になります。
SATについて対策は、得意不得意にもよりますし人それぞれではありますが、万人に共通する方法はまた別のページでご紹介します。
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