オーストラリアの大学は、様々な世界の大学ランキングでも上位にいくつも顔を出しているほど、世界的な評価を得ているといえます。一方日本の大学はと言えば、東京大学や京都大学など、超難関校数校はランキング入りしているものの、多くは圏外となっているのが実情です。オーストラリアの大学数は40校もなく、方や日本はその約20倍。それを考えるといかにオーストラリアの大学が評価されているかわかるでしょう。
しかしこのランキングモノというのは、どのような指標を重視するかによっても大きく異なってきます。
大学の役割をごく簡単な言葉で表せば、研究することと人を育てることです。人を育てた実績というのはなかなか数字に表しにくいですから、人を育てる環境、つまり学ぶ環境で評価されているようです。
研究において、発表された論文がどの程度引用されているか、などが指標になります(他にもありますが、論文引用は大きな比重を占める)。つまりどれだけ多くの研究者が、その大学の研究者の論文を参考にしているのか、ということですね。この部分はどうしても、英語圏の大学が有利になってきます。世界的に見て英語は共通語ですから、そのことに対して異議はありませんが、日本語で行われている研究でも有意義なものは数多く存在します。
学ぶ環境面でいえば、教員1人あたりの生徒数、国際性、などこちらも多くの指標がありますが、日本語メインで行われているぶん国際性ではどうしても劣ってしまいます。オーストラリアの大学を見ると、アジア中心に世界中から学生が集まってきていますね。
これらはあくまで、なぜ日本の大学が総じてランキングではそう高くない評価しか得られないのか、という理由であって、日本の大学側もそれでよし、としているわけではありませんが、ランキングの高低に一喜一憂するのではなく、その中身を知ってほしい、ということです。また、日本国内での評価=高校生が行きたい大学、就職に強い大学 と、この世界大学ランキング内の日本の大学の順位も、大きくかけ離れていますので、あくまで参考程度と考えていいでしょう。
とはいえ、オーストラリアにいる皆さんが日本の大学を目指すということは、つまりオーストラリアの大学に行く機会を失うということを意味します。
〇周りの友達ほとんどは、大学に行くにせよ就職するにせよ、地元に残る人が多い
〇オーストラリアの大学を受験するほうが、情報も多く手に入るし利便性もある
〇ランキングは気にするなと言いつつ、やはりオーストラリアの大学も十分世界で通用するレベル
〇ほとんどの日本の大学の授業は日本語で行われるが、大丈夫?
〇東京や大阪だと、人がどこからともなく湧いてくるが、圧倒されない?
〇たとえ両親が日本人でも、日本にずっといる日本人はまた感覚が違うから、カルチャーショックとかあるかもよ
〇オーストラリア市民の場合、親には大学の学費負担がないけど、日本だと結構高いよ
親の駐在に伴いオーストラリアで高校生活を送った方、高校のみと決めてオーストラリア留学をした方はともかく(そんな方々ももちろんオーストラリアの大学にも行けます)、オーストラリアで育ってきた場合、このようなことを今一度考えてみてください。
オーストラリアに残るメリットはわかってる。それでも私は〇〇したいから、〇〇があるから、〇〇になりたいから、日本に行きたい。それをじっくり考え、親ともディスカッションを重ねてください。
そしてやっぱり日本、ということであれば、それはあなたの「志望理由」のひとつになります。
誰かが決めるのではなく、あなたの、あなただけの志望理由でいいのです。それがモチベーションとなり、困難を乗り越える糧となるでしょう。
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